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「学びの1年」と言われたけれど

保育園
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保育園で働き始めて感じた違和感と心の悲鳴


はじめに

私は「保育園で働く栄養士」として入職しました。
でも、その園では最初の1年間は、子どもたちと関わりながら“子どもの目線を学ぶ”期間だと説明されました。

「子どもの姿を知ってから、食の支援に活かしていく」という考えは、当時の私にはとても魅力的に感じられました。

…けれど、実際の現場はまるで違っていたのです。


実際は、保育士の穴埋め要員だった

配属されたのは0歳児クラスの主担任。
「学び」ではなく、単に保育士不足の現場に駆り出されていただけというのが、正直な印象でした。

手遊びや寝かしつけ、排泄介助、連絡帳の記入…。
もちろん子どもと関わるのは嫌ではなかったけれど、本来の栄養士としての仕事には全く触れられない毎日

そしてその栄養士はなぜか保育園を牛耳っていました。


質問しても返ってくるのは冷たい言葉

分からないことや確認したいことがあってとにかく聞きまくっていた一年目。

目上の人に対しての配慮に欠けていたかな、と今では思いますが

園長の言葉で印象に残っているのが

園長
園長

僕は自分で雑誌とか買って勉強したけどね?

と・・・。

栄養士として入社しているのに本格的に保育士の勉強をしなくてはならないのか…

また、手作りおもちゃを先輩の雑誌を借りて作ってみたことがありましたが、

栄養士
栄養士

それは危ないから使わないで!

と、こちらの工夫を否定されるばかり。


積み木で遊ばせていても、

栄養士
栄養士

投げたら危ないでしょ、それもダメ

と、子どもに与えられる遊びの選択肢さえほとんどなかったのです。


隣の部屋からの理不尽な圧力

さらに私のクラスは、給食室の壁一枚挟んだ隣でした。
子どもが元気にボールで遊んでいると、勢いで給食室のドアに当たってしまうこともありました。

そんなとき、私自身が投げたわけでもないのに、中からは強い口調で——

栄養士
栄養士

うるさいからこっちに投げさせないで!

と怒鳴られ、それを私の責任として注意されるようなこともありました。

私は自然と、給食室のドアの前に立って子どもがボールを投げないようにブロックするようになっていました。

まるで、**給食室のゴールキーパー**のように——。

子どもが楽しく遊べるようにするため、でも誰かに怒られないようにするため、
保育でもない、栄養でもない、よくわからない役割を担わされていた自分に、だんだんと虚しさが募っていきました。

責任の重さだけがのしかかる

ある日、子どもが転び相手の子の頭に歯形がついてしまう出来事がありました。
そのとき子どもを見ていたのは私ではなく、副担任のパートの先生。

でも、その報告を受けた栄養士は——

栄養士
栄養士

大変!!病院受診して!

と、「なぜこのようなことが起きたのか」

「なぜ止められなかったのか」

私だけが強く責められました。(副担任はとても申し訳なさそうにしていた)

病院も受診し帰る頃にはほとんど歯形も残っておらず

保護者の方に謝罪。

保護者の方は相手の歯の方を心配していました。(確かに)

責任を感じないわけではありません。
でも、頭ごなしに怒られる毎日が続くと、
やがて私は、家に帰っても自分を責め続けるようになりました。

自分が怪我したら誰か心配してくれる?

夜、自分の部屋で思うのです。

レチ
レチ

私がもっとちゃんと見ていれば怪我せず返せたのに。

資格のない私が子どもを見ているなんて恐ろしい。

きっと保育士だと思われている。保護者の方に申し訳ない。

そして、次第に

レチ
レチ

私が怪我したら誰か心配してくれるのかな

そんな思考が頭を占めるようになっていきました。

救いだった人たちと、子どもの笑顔

そんな中でも、救いはありました。

一つ上の先輩がとても優しくて、
何かあるたびに私の気持ちに寄り添って話を聞いてくれました

その先輩の存在がなかったら、
私はもっと早く心が折れてしまっていたかもしれません。

また、他の職員の中にも、直接的に嫌な態度をとる人は少なく、
「大丈夫?」「無理しすぎないでね」と心配してくれる人もいました

そして何より、やっぱり子どもたちの存在

子どもたちがふとした時に見せてくれる笑顔や、
私に抱っこを求めてくる姿。

一緒に笑って、成長をそばで見られたことは、
どんなに苦しい日でも、心のエネルギーになっていました。

おわり

私はこの1年を通して、**“働く場所を選ぶことの大切さ”**を痛感しました。
熱意を持って入ったはずなのに、自信も笑顔も失っていく日々。

でも、それを経験したからこそ、
次に進むべき場所、守るべき自分の気持ちが見えてきたのだと思います。

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